2011年08月09日

経済の変わり目

理論経済学者、未来予測に挑む!



本書の構成は以下のようになっている。1部では戦後50年で経済の特徴がいかに変化したかを辿る。今後の姿を語るために過去の正しい認識は欠かせない。2部では、途上国で高成長の維持と貧困の削減がいかになされたかをみる。経済的な要因だけでは説明がつかず、リーダーシップ、政治、政府の構造もまた大きな役割を果たした。政府の主要な仕事はこれ;人的資源に投資し、経済構造変化の途上で国民の所得を守り、市場がうまく働くようにすること。廃れる産業を保護しがちだけど、それではダメ。3部では2008年に起きた金融危機後の短期的・長期的な影響を見ていく。途上国や新興国はどう対応し、金融のグローバリゼーションには何が必要かを考えている。4部では未来の問題を扱う。経済、ガバナンス、資源、環境など。

1・2部は開発経済学の知見のまとめなのでそれらのトピックに馴染んだ人は飛ばしてもよさそう。また3部の金融の部分もしばしば論じられる内容。興味深い分析はスペンスの現状認識と問題解決策が明確に述べられる4部にあった。

中国・インド・ブラジルなどの新興国は成長著しく、世界経済に無視できない影響を与えるようになっている。
たとえば金融面;これまで先進国は金融を自由化し変動為替制度を取り、途上国は金融を規制し固定為替制度を取るという分断があった。しかし新興国が先進国と協調しないことのデメリットは大きくなったため、今後はG20間での協調策が望まれる。新興国にとっても、自国通貨を安く誘導するのは得ではなくなっているのだ。なぜなら、国内向けの産業が発達するという適切な経済構造のシフトを妨害するから。
また、環境面:炭素の排出権取引は先進国から途上国への大きな援助を伴うものとなり、政治的に実行するのは難しい。そこで、当分は途上国が発展するまで待ち、G20間で環境対策をしていくのがよい。途上国にとってエネルギー効率を向上することがメリットになるまで時間が必要。
成長戦略:先進国は低成長を受け入れ、技術への投資を行うべき。新興国は補完的になる。

先進国と途上国、新興国が取り組むべき各種問題は顕在化してきている。そんな意識を持った人にオススメ。

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posted by Char-Freadman at 12:37| 北京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ぶっくれびゅー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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