2013年04月01日

幼児に投資しよう

アメリカの不平等度は近年いよいよ増している。大検獲得者ーー労働市場では高校中退と同程度のスキルしか発揮しないーーを除くと、高校を卒業できる男性の割合は減っているし、大卒者も減っている。 教育のある女性は初婚年齢が高く、子どもの数も少なく、養育に時間もお金もつぎ込むことが出来る。これでは格差は広がる一方だ。 こんな状況を変えるために、Heckmanは早期の教育に焦点をあてろと提言していく。

“Giving Kids a fair chance”, by James Heckman



認知能力以外の能力、たとえば心身の健康、注意深さ、やる気、自身といった点も人生の成功には欠かせない。 ランダム実験かつ長期の追跡調査であるペリー就学前教育計画およびAbecederian計画が明らかにするところによると、 認知能力もそれ以外の能力も、発達するのは幼児期で、しかも大人になってからも影響がある。IQはさほど高くならないものの、認知能力以外の能力は高まるのだ。政策が一番効果を出すのもこの時期だ。小中学校の教員を増やしたり、犯罪更正プログラムより、学費援助より、遥かに効果が高いのだ。
とはいえ、どうターゲットを絞るか、どんなプログラムにするか、いかに提供するか、支払いをどうするか、いかにプログラムを遵守させるか、早期教育の時期は過ぎてしまった青少年の子をどう扱うかといった問題は残っている。

識者からのコメントが載っている。貧者を就職で救うのも大事、母親に補助を与えるのも大事、政治的反対に遭うかもしれない、上記のプログラムはサンプルが少ないがより大規模な追実験(IHDP)では同じような結果は得られなかった、否認知的能力を上げることは可能、実行するには問題があるなど。そして、それらに反論を加えて〆となっている。

不平等および教育に関心のある方はぜひ!!!

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(関連)
・不平等解消に向けてアツいディベートがなされているこの本の続きか;


↑一橋の川口先生のとってもわかりやすい解説を発見;
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&ved=0CDEQFjAA&url=http%3A%2F%2Fwww.econ.hit-u.ac.jp%2F~kawaguch%2Fpapers%2Fkrueger%26heckman_review.pdf&ei=tTxZUaWRJtT1qwGZq4CgBA&usg=AFQjCNF3hHdfjNQYNJ_Pbk2rjqzsCnQIHQ&bvm=bv.44442042,d.aWM

Handbook of Labor Economics, Vol4の15章も似たような内容(下はゲート無し);
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0169721811024130
https://www.princeton.edu/~jcurrie/publications/galleys2.pdf

・本邦でも就学前教育が重要との指摘がされてますね;
http://blogos.com/article/57423/
posted by Char-Freadman at 17:01| 北京 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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