2012年06月04日

不平等な民主主義(修正)

アメリカでは多元的な民主主義が失われてきている。本書によれば、低所得者の選好は全く考慮されていないのだ。

"Unequal Democracy: The Politial Economy of the New Gilded Age", by Larry Bartels



1章は不平等に関する基本的なデータを示す。80年代以降不平等は拡大した。技能偏重型成長が指摘されるものの、コンピュータ科学者の賃金はさほど伸びておらず、政治要因も寄与しているだろうとみている。平均的には、民主党政権では共和党政権に比べて、中位所得者の収入は2倍伸びており、また低所得者の収入は6倍伸びている。
2章は二次大戦後の各大統領を比較している。低所得者の伸びや所得の不平等は、共和党政権において一貫して悪化していた。インフレの度合いは両政権で同じ程度なものの、共和党政権での失業率は高くGNPの伸びも低い。民主党政権は2年目に予算を拡大し、その後縮小する。共和党政権はその逆が見られる。(政治循環)この章以降、なぜ多くの人のためにならないにもかかわらず共和党が勝つのかについての分析がなされていく。
3章は階級ごとの政治行動について。南部は民主党の基盤だったが、次第に共和党化していった。所得分布の層ごとに階級をわけた後、言われているようには保守化していないし、文化や価値観や宗教といった点より経済的観点が重視されていることがわかる。
4章は投票者の心理について。民衆は視野狭窄であり、選挙直前の年の経済状況しか考慮しない。共和党はイデオロギーのとおりに2年目に予算を縮小させ、選挙になると拡大するため、生活が良くなったと錯覚するのだろう。またどの所得層も「高所得層が得をしているかどうか」を考慮していることがわかる。また高所得層ほど選挙で寄付をしている。
5章は不平等について。概ね機会の平等が与えられるべきという立場にはみな納得する。富者より貧者のほうが共感をもってみられる。不平等の度合いは、実際にはそれが低くなりつつあった時期は高かったと誤解され、市民はあまり精確に平等度を測れていないことがわかる。政治への理解が高まるほど、不平等に関する認識が分極化し、事実の理解にすら影響を与える。
6章はブッシュ減税について。強きを助け弱きを挫く減税だったが、概ね支持されていた。政治的価値観や自分の経済的負担に関して減税がどう影響するかあまりよく考えない人が多かったようだ。
7章は相続税について。影響を受ける人はあまり居ないにも関わらず、相続税の廃止は常に大衆の好むところだった。民主党の頑張りにより維持されてきたとみなせる。
8章は最低賃金について。インフレ調整後の賃金は、ここ40年で40%も減額してしまった。賃上げをしても概ね悪影響は少ないだろうという推定や、大衆からの好意的な反応にもかかわらず賃上げはなされてこなかった。これは共和党政権が反対したため。
9章は政治家の行動について。民主党も共和党も同じように低所得層にはあまり関心を払わない。民主党は中所得層に、共和党は高所得層により注意を払う。高い所得の層は直接・間接に政治家へ影響を与えることができる。政治家は大衆の望むものより自分のイデオロギーに忠実に政策を選ぶ。
10章はまとめ。政党間競争があっても必ずしも貧者のためにはならない。ハリケーンカトリーナは貧者が見捨てられてしまう例であるが、政治に出来ることは多く、改善していくべき。

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(感想)
・はっきりと共和党批判にまで踏み込んでいた。狂愚漫や捨愚律の批判も的外れではない…のか…。

・共和党の政策は低所得・中位所得の人には損、この事実の指摘だけでなく、「それでもなお政権を取れるのはなぜか」も考察しているのが面白かった。不平等の文脈でよく引用されるのもわかるというもの。まあでもデータが少なくいくつかの統計分析がビミョウなのはご愛嬌、、、^^;

・本書が執筆されたのは2007年なので、スーパーPACに関する記述は見られない。ますます高い所得の人に有利な政策が取られそうね。
(cf; http://whynationsfail.com/blog/2012/3/20/whos-afraid-of-super-pacs.html )

・経済学者は不平等を経済活動の影響から説明しようとするけど、政治学者は政治から説明しようとするな〜w経済要因だけからじゃ説明付かないよね→多分政治のせいじゃね?と。

・はて、市民が視野狭窄なのなら、それを前提にした行動を民主党がとらなかったのは何故かという疑問が湧いてくるなあ。
posted by Char-Freadman at 08:24| 北京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

移民と送金

移民の送金についてまとめたペーパーがこちら。

"Migrant Remittances", by Dean Yang
Journal of Economic Perspecitves, vol 25, Number3, Summer 2011, pp129-152

☆送金額は巨大
2009には$3250億, 2010には$3070億
☆FDIより安定的
金融危機でFDI(海外直接投資)は39.7%減ったが、送金は5.2%しか減らなかった。
☆色んな組織が立ち上げられてきた
エルサルバドル、インド、フィリピンでは政府の省がある。
☆総額とGDP比のランキング
(総額)インド($550億)、中国($510億)、メキシコ($226億)、フィリピン($213億)、フランス($159億)、ドイツ($116億)、バングラデシュ($111億)
(GDP比)タジキスタン(35%)、トンガ(28%)、モルドバ(25%)、ネパール(23%)、レバノン(22%)、サモア(22%)
☆動機
利他心や将来への投資などの理屈が考え出されたが、実証するのは難しい。移民の存在と家計収入の関係をみても、たとえば起業家精神に富む家計ほど移民になりやすいのかもしれない。あるいはダメージを受けた家計が収入への悪影響を減らすために移民を送るのかもしれない。移民の影響を測るにはランダムな事象が必要。
フィリピンの多くの家族は1997年のアジア通貨危機以前に移民を送り込んでいた。この危機は予期されなかったものであり、ペソに対し通貨高になった地域の移民の家計は、通貨安になった地域の移民の家計に比べ、貧困から抜け出しやすくなったことが示されている。自営業ではなく資本集約的な職に就くこともみられた。一方消費への影響は見られなかった。
また保険の作用も果たす。降雨の多寡というランダム性を導入し、収入が減った場合は送金が増え、収入が増えた場合は送金が減るという安定化がみられた。
☆願いの不一致
移民は家計に21.2%を貯蓄して欲しいと思っているが、実際には2.6%しか貯蓄しない。より送金のコントロールができるようになっているほど銀行口座を開設しやすくなっている。
☆頻度
一回送金するには固定費がかかるにもかかわらず、小額の送金をしばしば行うというパターンが見られる。「母国の家計が盗難に遭うことを見越しているため」「自制心の無さへの対応」といった理屈が考えられている。少し送金のコストが減るだけで送金の額はかなり伸びる。こういった現象を説明づける理論が求められている。

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・対立する仮説を排除するような実験計画組むの難しそうだなあ。。。>自制心VS治安
posted by Char-Freadman at 10:23| 北京 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月22日

オランド税率の最適課税論的起源

SaezとDiamondが最適税率は70%超かもしれないと言っている。

"The Case for a Progressive Tax: From Basic Research to Policy Recommendations", by Peter Diamond and Emmanuel Saez, Journal of Economic Perspectives Vol25, Number4, Fall 2011, pp165-190

【最適課税論とはなにか?】
以下の特徴を持った社会厚生関数を政府が最大化するとして、歪みの少ない税制にするにはどうしたらいいかを考える分野
・より平等な分配になると嬉しい
・富んだ人より貧しい人を重視する
ただ、課税しすぎると働かなくなる。効率と公平をどうバランスとるかというお話です。

著者はこの論文で三つの提案を掲げる

1. 超高所得者の限界税率は所得とともに上がるべきであり、現行のアメリカ税制より高くてもよい

トップ1%が所得税収に占める割合はなんと40%。公平の面からだけでなく税収の面からも焦点に当てるべきは高所得者層。
さて肝心の、税の悪影響。taxable income elasticityで測ろうというのが、Feldstein(1995)以降public financeの新しい伝統となっている。租税回避や脱税、労働時間減少など全部の影響は「課税所得がどれくらい減るか」で近似できるよねという発想だ。すると、国庫を最大化する税率は以下の式で与えられる;

τ=1/(1+a*e)

ここでaはパレート分布のパラメータ。パレート分布とは、所得分布が従うことが経験的に知られている分布のこと。アメリカでのaの値は1.5くらいと見られている。
さて残るはeの値の推計だ。急な税率の変更(1986年のTRAなど)の前後で、高収入者の変化と中位所得者の変化とを比べたり、トレンドを調整したり、色んなテクニックを駆使するとe=0.25くらいではないかと見られている。

するとτ=73%という値が出てくる!

限界税率は減るべきとする文献もあるけど、それは一番所得を稼いでいる人「だけに」当てはまる条件であり、データには当てはまらないのだ。
ただし長期的には教育水準や職も変えてしまうかもしれず、そんなデータは揃ってない。

2. 低所得者には補助金を与えとりあえず就職をさせるようにし、その補助率を段階的に減らしていくのがよい。

伝統的には「労働時間をどれだけ減らす」かが重視されてきたけど、「そもそも職に就かなくなる」人も多い。特に女性がそうだ。そこで就職したときのみに恩恵を受ける税制にし、稼得が増えるとともにその援助を無くしていこうとのこと。

3. 資本は課税されるべき

Chamley(1986)とJudd(1985)以降、資本には課税しないほうがいいという論文は多い。資本に課税すると、重複して税をかけすぎちゃうというのがその理屈;
今日の1円を貯めると利子rのおかげでT年後には(1+r)^Tの価値になるけど、利子rに資本課税τがかかるとたった(1+(1-τ)r)^Tにしかならない。Tが長いほどその影響は大きくなってしまうのだ。税収が必要なら現在の富裕層から分捕り、資本市場で運用して調達するのが歪みが小さくなる。
でもそんな長期のことを考えて最適化している個人はいないし、たとえば思いがけず急死した人の遺産に課税したところで歪みは生じないーーだってもう死んでる!おまけに現在の富裕層からカネを取ってこようとしたって、政治的な反対に遭うに決まっているのだ。
労働による収入と資本による収入とを綺麗に分類するのも難しい(Char注; ストックオプションとかをイメージするとよいのだろう)。所得税と資本課税にあまり差が生じるとよくないのだ。
借り入れ制約に引っかかっている人も居るかもしれず、そういう人にとりあえずの流動性を供給してあげるのは望ましい。カネのあるところから政府が調達してあげればよい。
将来の収入が不透明だと、予備的に貯蓄をしすぎるかもしれない。そして労働を減らすだろう。そこで貯蓄に課税をかければ労働の歪みが減り、ひいては税収増となる。

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(感想)
・オランドの主張する75%の税率、根拠はこの論文かもしれない!?

・まあ「最適課税論」という考え方を使ってアタマの体操をしてみました!という位置づけでいいんじゃないかな…w

・New Dynamic Public Financeという文脈だとマクロ経済学者がメカニズムデザインを駆使して誘因制約を満たした上で税収を最大化するような問題をグリグリ解いているけど、「実行するには複雑すぎ」とのこと。実証するのはなお難しそうだなぁ。

・日本のaの値はどうなってるんだろう。

・この論文だけだとあんまりピンとこないかもなので、併せてMankiw, Weinzierl and Yagan(JEP, 2009)"Optimal Taxation in Theory and Practice"も読むと良さそう。そこでは最適税率は所得とともに「下がる」こともありうるとしている。パレート分布かどうかわからないじゃんというのがその理屈。

・最適課税論と政策との関係を追った本ならこんなのがあるみたい;



いま目を通してるけど、70年代中盤から80年代中盤にかけてのStiglitzはまさに鬼だね。引用される論文の多いこと多いこと。いまは、、、
posted by Char-Freadman at 11:26| 北京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月18日

新興国と新しい貿易パターン

今号のJournal of Economic Perspectivesは100号記念ということで、編集者が気合いを入れてきている。なんとKindleやNookに対応するようになったとのこと。
http://www.aeaweb.org/jep/mobile.php

読みやすいしブログのネタに丁度良いので、学習のコミットメントとして適宜とりあげていってみます(宣言)

ということでさっそく第1段、"The Rise of Middle Kingdoms: Emerging Economies in Global Trade", by Gordon H. Hanson
Journal of Economic Perspectives, Volume 26, Number 2, Spring 2012, pp41-64

近年、先進国はふるわない一方、中位所得国の伸びは著しい。本稿は貿易パターンが変化してきたことを示していく。1950年代から1980年代までは、先進国間の北北貿易が顕著だったが、南南貿易や南北貿易といった形が増えてきている。85年には先進国間の貿易は世界の8割だったが、ここ10年では半減しているのだ。

☆南南貿易
・1994-2008で途上国でのGDPに占める貿易額の割合が高まった
・途上国での輸出入の相手は途上国になった
→貿易障壁がなくなったから?; 実証的には影響は薄い
→国際的な生産ネットワークが拡大したから?; 加工貿易という形が進化したというデータは乏しい
⇒より国際的な特化が進んでいるからかも!!!

☆比較優位説への回帰
80年代にはリカードモデルの受けは悪かった。国のサイズや距離でだいたい説明がついた(重力モデル)からだ。しかし近年は比較優位説に再度注目が集まっている。Eaton and Kortum(2002)はリカードの比較優位説が重力モデルと整合的であることを示した; 技術の性能と配達にかかる貿易コストによって相手国の市場のシェアを獲得すると見ていったのだ。またFeenstra(2010)は国際的な生産ネットワークのなかでの中間財の供給における比較優位の存在を強調している。
また、資源の少ない途上国が資源の多い途上国(中印)から原料を輸入するというパターンが観察されている。

●特化
中位所得国では、アルゼンチンやブラジルが農業を、ロシアと韓国と南アフリカが鉱業を、韓国とマレーシアとタイとフィリピンが電機産業の輸出を伸ばしている。中国とインドは特徴的で、高所得の国々に輸出品を送っている。
北から南への海外直接投資も、またその逆も伸びている。

●特化の変遷
衣服や靴を輸出していた国が、電器を輸出するようになってきた。中国は携帯電話やコンピュータを組み立てて輸出してきている。コンピュータへの特化と、依然として低価格品を輸出することが中国の特徴といえる。とはいえ高品質のものを作り上げる能力はある。

●超特化というナゾ
少数の製品だけに特化するということが多くの国で見られる。低所得国では石油・アルミニウム・茶・コーヒー・ナッツ・木綿・ダイアモンド・銅・織物、中位所得国では石油・半導体・自動車・織物・冷凍魚・サトウキビ・アルミニウム鉱石・鉄の合金・銅・船などを輸出している。両者の差は教育程度と使う機械にある。
なぜか?
→企業の生産性の違いのせい?相手国の規模が小さい割に貿易障壁が大きい場合、それでも輸出がペイするほど高い生産性がある企業がなくなってしまう。このため何も取引されない財が存在することになる。各種のMelitzモデルでは輸入国のサイズが小さい場合に取引が無くなることが予見されるが、実際には取引は行われている。
→Eaton-Kortumで説明はできるか?技能の差が貿易パターンを導くことになるが、取引がないという状況はモデルからは出てこないはず。超特化までは説明し切れない。
→輸出品は生産に外部性があるから?ある企業が生産を拡大すると、知識や金銭のスピルオーバーにより他の企業のコストも下げることになる。でも、低所得・中位所得国で輸出されるのは多くが一次産品で、外部性があるような製品とは言えなさそう。

☆まとめ
中国の成長の原因や、国際的な厚生、高所得国にもたらす影響といった点が研究されてきている。
・近年の取引増は付加価値の真の量をどれだけ表しているか; どれくらい特化が輸出シェアの伸びをもたらしているのだろう
・輸出への高い特化の理由はなんだろう
・中国政府は工業政策をとっているんだろうか?
・コモディティのブームはどれくらい低所得国の生活水準に影響するんだろう
国際経済学はこれらの疑問に答えていきそうだ。

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(感想)
・各時代の貿易パターンを受けて貿易論が発展しているのが面白いところ。

・今号は貿易特集になっているようだ。寄稿者が豪華すぎるw

・半導体を輸出するのは「中位」所得国です。ちなみに日本は「高」所得国です。

・そういえば工場が先進国に回帰しているという記事もあるね;
http://www.economist.com/node/21552901
貿易パターンはホントに豊かだな〜。
posted by Char-Freadman at 13:02| 北京 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月01日

ご飯の美味しい経済学

ご飯だって需要と供給のもとに成り立ってるんだから、経済学を使えばもっと効率的に食事ができるのだ。新鮮かつ創造的な供給者は誰で、需要者に情報が行き渡っているのはどんなときかを考えていくとよい。本書は「食事は大事」「安くても良い食事にはなる」「賢い消費者であろう」という信念を伝えるために著されている。

"An Economist Gets Lunch" by Tyler Cowen



アメリカの食事が残念になったのは商業化のせいではない; 禁酒法の時期に良いレストランが潰れ、二次大戦で質より量という流れが生まれ、移民排斥がなされたため。レストランはワインで利潤を得るので、アルコールを売れないと大打撃を被る。ワインを供するフレンチは特に深刻だった。また大戦では女性労働が必要となり、便利に食事の出来る缶の文化が広まった; 翻って欧州ではそもそも農業自体が困難となっており、自給自足の生活を強いられたため皮肉にも食事の質は保たれた。またアメリカでの育児では子どもの望むものを与えがち; しかし子どもは甘いものや菓子が大好きで、ファストフードの餌食となる。テレビは夕食時に面白い番組を配信していたため、時間をかけて準備することへのコストが高まった。

エスニックのスーパーのほうが食の流通に気を遣っているからいいかもしれない。試してみると、安上がりで健康的な食生活になる。最初に時間はかかるものの慣れてしまえばすぐ気に入るだろう。緑のものが欲しければ中華食材店に行けばいい。自分の食生活をちょっと変えるだけで優れた食品を発見できるかも。

良い外食をするには以下の点を覚えておくといい。原料集約的ではなく構成に集約的な食べ物を選ぶこと。補完性(ご飯があるとより楽しくなるもの)のある店のレストラン、たとえばカジノの経営するレストランを選ぶこと。郊外や大通りから外れたところに立地している店、顧客が家にいるかのようにけたたましく振る舞っている店、店員がブサイクな店なども狙い目。
アメリカのバーベキューは多様かつ伝統がある。古典的な店や機械に頼る店もあれば、開店時間もまちまち。ソースも添え物も美味しい。
ベトナム料理店は美味しい。タイやインド料理は人気を博したがゆえに質は低下気味。日本は高賃金な国なため低価格な良い日本料理を見つけるのは至難の業。韓国料理なら野菜。Hunan(湖南)やCanton(広東)と表記のある中華は避け、Sichuan(四川)とある店を選ぶとよい。とにかく、あんまり聞いたことのないものを選ぶとよい。それを真に必要としている顧客層があるから。
品種改良により農業の生産性が伸びたことは緑の革命と呼ばれる。肥満や飢餓を解決するのは、100年前の農業に戻るのではなく、新しい技術を採り入れること。近年農業の生産性は伸び悩んでおり危機が生じているが、遺伝子組み換え食品は栄養価も高く収穫量も多いので、アジアやアフリカでの飢饉を解決する方策となろう。
不買運動は必ずしも環境に優しくない。環境税で市場を利用したほうがより効果的。ゾーン規制を撤廃して都市化したほうがエネルギーは効率的になるし、安価な味の食品を楽しんだり、環境によくない食品は高値にし、精製された砂糖の利用は避け、皿は手洗いし、無駄な食品の購入や車の運転を減らすとよい。
アメリカの「メキシコ料理」と本場のそれとは異なる; 安全面に課される基準と、一般家庭が可能な調理方法が両国で異なるためだ。豚・牛・鳥・チーズやラードに課されるFDAの基準は重い。
旅行では現地の食事を目一杯楽しむべし!東京では、有名なところに降りて歩き回ったり、地下鉄の正しい駅・正しい出口を使い、タクシーの運ちゃんに頼むとよい。本場のエスニックを楽しめる。安上がりなので日本料理以外に金を使ってもイイかも。居酒屋もお勧め。シンガポールなら屋台(ホーカー); 安いし衛生面の心配もない。インドならホテルの料理。パリにいるなら、お金をかけない限りロクなものは食べられない。ミシュランを使うなら安い店に焦点をあてるべき。イギリスならエスニックに行っとけ。ドイツやシチリア島やイスタンブールは安いし美味しい。イタリアにいるなら、ベネチア・フィレンツェ・ローマなどの観光客向けの店は避けるべし。
有名店のシェフによる料理本はしばしば役立たず。自炊に使う器具を自省し、よく使うものは質のいいものを選ぶべき。料理は敵ではない;自炊に電子レンジや冷凍食品を利用したってよいのだ。

アメリカ(特にNYとDC)在住でご飯がまずいとお嘆きの貴方に!

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(感想)
・外食探しに経済学を使うというのは普段からやってるので、その点は目新しくなかった。ただ、規制が食文化にもたらす側面が大きいかもと言うのは面白い。料理って結構変遷するんだよね。たとえば四川料理はかつて辛くなかったし。

・町外れに行って買い物やら外食やらするにはアシが必要なはずなので、「車を持つこと」という前提の指摘が欠けてないかな。まあ著者にとってはあまりにも当たり前のことだからかw

・(先進国での)ファストフードのメイン顧客ってガキなのかー。言われてみれば中高生がたむろしてて客層よくないね。ただ途上国ではちょっとしたブランド品みたいな店にも見える。

・アメリカのメシがマズイのは女性労働が進出している裏返しでもあるのね。あんま罵倒するのやめることにしようっと。不満はあるけど。あるけど。。。;;

・空港のご飯が美味しくなったというのは納得できないw成田のご飯は高くてマズイ。

・中国人が食を気にする???段ボール肉まんやら髪醤油という都市伝説の発祥地では^^;

・アメリカで食べるエスニック料理がまずい理由を供給面から語ってる(9章はエル・パソとシウダー・フアレスという米墨の隣接地区を比べているので、同じ需要があることが暗黙の前提になっている)けど、需要面のほうが大きいんじゃないかナァwびっくりするくらい味覚がおかしいと思うけど。。。

・アメリカでもご飯の美味しいエリアってあります。参考までに↓(※ネタバレです)


・学術に興味があって世界の大学ランキングを眺めると愕然とする;
http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2011
うわっ……私のご飯、マズすぎ……
留学を考えている人は料理の腕を上げることを強くオススメします^w^

・東京に関する著述はきわめて精確だった!w
「英語を話せる人は多くないし、日本語は難しい。通りの名前は秩序立ってないし、新宿駅は難解。(略)名店は地下とかに隠れてる。」
$5でまともなもんが食べられるのは驚異ですね。食道楽にとって天国だのう。

・イギリス観光で「エスニック行け」って、イギリス料理自体はアレってことだよなw明示的に書かれてはいないけどw
posted by Char-Freadman at 19:35| 北京 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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